「あめのひのトランペット」安房直子・作 葉祥明・絵(金の星社)
野原の真ん中に、小さなお店「ふしぎや」がありました。 店主はベレー帽をかぶったくまさん。 お店の中にはたくさんの楽器が並んでいます。 「ふしぎや」は、楽器屋さんなのです。 何日も雨が続いたある日、一人の男の子が「ふしぎや」を訪れます。 男の子は「まいにちあめだから、なにかたのしいものないかなあ」と尋ねます。 くまさんが選んだ楽器は… こちらの絵本を一言で表せば、「優しい」でしょうか。 新緑のグリーンと雨のグレー。 全編、淡く柔らかな色合いで描かれた絵本です。 そしてくまさんが選んだ楽器は… キラキラと光がこぼれる様な文章とイラストが美しいです…! 巻頭の「作者のことば」から一部引用させていただきます。 楽器屋さんのお店をのぞくのが、わたしはすきです。(中略) ひょっとして、あの楽器のひとつひとつには魔法の力が、 こめられているのではないかしら……(後略) 静かな雨の日に読みたい一冊です。 読み終わる頃には、ほら、雲の合間から、お日様が顔をのぞかせているかもしれません。(2011/09/18) |