「おなかのかわ」瀬田貞二・再話 村山知義・絵(子どものともコレクション2009 福音館書店)
ネコとオウムがお互いにご馳走に呼び合う事になった。 だが、ネコはひどいけちんぼで、 牛乳一杯と魚一切れとビスケット一枚しか出さなかった。 オウムの番になると、 オウムは焼肉や果物やクッキーをたくさんネコにふるまった。 が、ネコは全部食べても「まだ足りない」と文句を言った。 そこで、オウムが冗談で「では僕を食べろよ」と言うと、 ネコはオウムをぺろりと食べてしまった。 それを窓から見ていたおばあさんに、「友達を食べるなんてひどい!」と非難されると、 ネコはおばあさんもごくんと丸呑みにしてしまった。 更にネコは道で出会った馬方とロバ、王様とお妃さま、 兵隊たちとゾウを残らず丸呑みにしてしまった。 最後にネコが出会ったのは二匹のカニ。 ネコはカニも飲み込んでしまうが…… ネコさんの食欲には、あきれるばかりです。 一体、どんな胃袋をしているのでしょう? カニが出てくるところで、結末は大体予想がつくかと思います。 「七匹のこやぎ」では狼はお腹に石を詰め込まれて溺れ死んでしまいますが、 このとんでもない悪事をしでかしたネコは一体どうなるのでしょうか? ↓以下、ネタばれです。 最後のページ。 大きな針で自分のお腹を縫っているネコの姿が飄々として面白いです。 でも、このネコ、反省は全然してないですね〜、きっと。 登場人物たちの表情もユニークで楽しい絵本ですが、 現在出版社にバックナンバーとしての在庫はなく、 『こどものとも復刻版Aセット』所収(分売不可)との事です。(2011/09/17) ◇追記 2017年1月にハードカバーで発行されました。 |