◇すーちゃんとねこ◇



 「すーちゃんとねこ」佐野洋子(こぐま社)

   友達のねこちゃんの風船を無理矢理奪ってしまうすーちゃん。
   一晩中泣いて返してくれと頼むねこちゃんにも知らん顔。

   でも、ねこちゃんも負けてはいません。
   翌朝、たくさん風船をつかまえたねこちゃんのとった行動とは…?



  大好きな絵本です。

  まず表紙のすーちゃんの意地悪そうなお顔にご注目。
  ねこちゃんがどんなに泣いて頼んでも、無視…
  いっそ清々しいほどのいじめっ子ぶりです。

  でも、ねこちゃんも頑張ります。
  翌朝、ねこちゃんはたくさん入手した風船をすーちゃんに見せびらかした揚句、
  どんどんお空に飛ばしてしまうのです。

  私が一番好きな点は、普通でしたら「ごめんなさい」「いいよ」が期待される展開ですのに、
  全くそれがない事です。
  こう書いてしまうと身も蓋もない感じですが、
  ラストの空を飛んでいく風船を二人で見上げるシーンはとても美しく、心がジーンとします。

  本当の友情とは何か…を考えさせられる絵本です。
  でも、ねこちゃんはもう一度同じような事があったら、
  もうすーちゃんと友達でいるのはやめた方がいいのでは?と私は思いますが。

  私は小学校で読む時は2年生を対象に読んでいます。
  でも、もっと大きなお子さんでも十分楽しめますし、
  むしろ深い内容を理解してもらえるのではないかと思います。

戻る

※転載厳禁
サイト&ブログ内の画像・文章の転載、
二次加工による再配布は固くお断り致します。


copyrignt(c)since 2010 月夜の青猫 All Rights Reseaved.

inserted by FC2 system