◇うまそうだな、ねこ◇



 「うまそうだな、ねこ」松山美砂子・作(架空社)


   ねこは池に住むたった一匹の小さなおさかなが大好き!
   だから毎晩歌っちゃう。
   「うまそうなさかな♪」って。

   そして池から出して頬ずりもして、そっと池に戻します。
   さかなは、そんな毎日がくやしくて辛くて仕方ありません。

   ところが、ある時さかなが進化を始めて、ねこ仰天!
   さかなが巨大な牙をもつ怪獣になってしまった!

   今度は元・さかなが歌います。
   「うまそうなねこ♪」と。



  絵もお話もインパクトがある絵本です。
  ねこの所業は、さかなにとっては非常に辛いものです。

  私は、「一度破たんした関係は修復不可能」というシビアなメッセージを感じました。
  が、一緒に読んだ方の感想は…
  「ねこがさかなを好き過ぎる気持ちが良く分かる。
  ラストの方を読むと、いつか二匹が友達になれる予感がする」との事でした。

  いずれにしろ、「好きだと言いながら、相手の嫌がる事をしてはいけない」という点は
  意見が一致しましたが…

  確かにラストは明るい雰囲気ですね。
  でも、ねこの都合の良い妄想、と言う気もします。(←シビア過ぎ?)

  さて、こちらの絵本で私が好きなシーンは…

  巨大な怪獣を前に縮こまってふるえているねこです! 可愛い〜♪
  それから、ラストでおさかなが池でゆうゆうと泳いでいる場面です。

  抑圧を受けても跳ね返し、たくましく生きていくさかなの姿は今の時代のニーズに合っていると思います。
  色々考えさせられる絵本ですが、子供たちはどう感じるでしょうか?

  でも、実はまだ一度もおはなし会で読んだ事がないのです。なかなかチャンスがなくて…
  いつかおはなし会で読みましたら、こちらに追記でご報告したいと思います。(2011/07/21)

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