「ゆうれいとなきむし」くろだかおる・作 せなけいこ・絵(ひかりのくに株式会社)
歯が痛いのに、歯医者さんが怖くて行けない男の子。 見かねた幽霊がお化けの国の歯医者さんへ連れって行ってくれる事になります。 お化けの国の歯医者さんは、痛くないのですって。 でも、お化けの国へ行くには、大きな川(三途の川?)を泳いだり、火の山を越えていかなくてはなりません。 そのたびに、臆病な男の子は大泣き。 それでも親切な幽霊に助けられ、男の子はお化けの国にようやく到着します。 でも、お化けの歯医者さんは…!? 臆病な男の子を持て余した幽霊が、色々ぼやくところが面白いです。 幽霊の、意外な秘密(?)も分かります。 ラストシーン。弱虫だった男の子の、豹変ぷりが見事です! 最期のページ、友達に囲まれた男の子の後ろに小さく描かれた幽霊の姿は、さり気なく感動的です。 裏表紙のイラストも優しい雰囲気で好きです。 虫歯がテーマなので、六月に良く読む絵本です。 荒唐無稽の愉快なストーリーで、イラストも見易いのでおはなし会向けの一冊です。(2011/06/17) |