「あけるな」谷川俊太郎・作 安野光雅(銀河社)
中世のお城に在るような、重厚な扉。 そこには一言「あけるな」の文字。 決して開いてはいけない扉。 が、誘惑に負けて扉を開けた者がそこで目にするのは… 再び現れるもう一枚の扉。 そして「あけるなったら」の文字。 次々と現れる扉と禁忌の言葉。 その果てに訪れるのは、不思議な風景…… 闇の森、 一人ぼっちの誰か、 ビー玉の世界… 最期の扉を開けたあなたを待っていたのは……? 「ダメ」と禁止されればされる程、破ってしまいたい衝動に駆られた経験は 誰にでもあるのではないでしょうか。 そんな心の葛藤をドキドキ味わう事が出来ます。 ギャグ系絵本かと思いましたが(作者さんの名前を見たらそれは無いか…)、 心象風景を描いたような、静かで、内面的な世界を感じさせる絵本です。 まだおはなし会で読んだ事はないのですが、 子供達はどんな反応をするでしょうか? 最初の方は間違いなく面白がると思うのですが、 途中はちょっと難しいかな…? 絵をじっくり見て貰いたいので、 少人数のグループが良いかと思います。 ところで、ラストシーン、 個人的にはかなりハッピーエンドなのですが、 一般的にはどうでしょう? もしかして、ホラーだったのでしょうか?? 大人の方にも楽しんで頂ける一冊です。(2011/05/22) |