◇ゆきだるまのさがしもの◇

　「ゆきだるまのさがしもの」（セーラー出版）
　ゲルダ・マリー・シャイドル/作　ヨゼフ・ウィルコン/絵　いずみちほこ/訳

　どこもかしこも真っ白な一面の雪景色に飽き、
　見た事のない花に憧れ、花を探しに出掛ける「雪だるま」。
　が、ウサギもカラスもネコも「雪だるまは花に会うことはできない」と言います。

　あきらめずに探し続け、ついに温室に辿り着いた雪だるまは
　色とりどりの花々に出会うことができました。
　しかし、雪だるまを待っていた運命は…


　柔らかなタッチで描かれた、美しい絵本です。

　終わりの方の、

　　　そこで　ゆめは　おしまいになりました。

　の文章でいつも胸がいっぱいになります。

　ほろりとしてしまうお話ですが、ラストはとても温かい気持ちになります。
　ずっと「つまらなそう」だった雪だるまが「つまらなそうではなく」なったのは何故？

　「死と再生」が希望に満ちたストーリーで描かれた、すばらしい絵本です。
　私は小学校では一年生から六年生まで、全ての学年で読んだ事があります。
　比較的短く、可愛い動物も出てくるので低学年のお子さんにも興味を持って貰えますし、
　高学年から中学生以上のお子さんでしたら、深いテーマを感じて貰えると思います。
　もちろん、大人の方にもお勧めできる絵本です。

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