◇ビロードのうさぎ◇



  『ビロードのうさぎ』マージェリィ・W・ビアンコ/原作 酒井駒子/絵・抄訳(ブロンズ新書)

   男の子がクリスマスのプレゼントに貰った、ビロードのうさぎのぬいぐるみ。
   初め、男の子はあまりうさぎに関心がありませんでしたが、
   やがて一緒に眠るようになり、一番大切なおもちゃになりました。

   そして月日が経ち、うさぎはだんだん薄汚れてきました。
   それでも、男の子にとっては、素晴らしいうさぎでした。

   が、ある日、男の子は重い病気になってしまいます。
   男の子が回復した時、
   お医者さんは「消毒のためおもちゃや本は全て燃やしてしまいなさい」と告げます。
   終わりは、突然やってきたのです…



  切なく美しい絵本です。

  「"本物"って何だろう?」と考えるぬいぐるみのうさぎに、
  ボロボロだけど賢い目をした馬のおもちゃが、こう答えるシーンがあります。

  「ほんものというのはね、ながいあいだに
  子どもの ほんとうの ともだちになった
  おもちゃが なるものなのだ。(中略)
  子どもべやには ときどき まほうが おこるものなのだ
」と。

  このうまのおもちゃも"本物"になれたのでしょうか?

  非常に素晴らしい絵本ですが、若干長めなので、おはなし会で読む場合は、
  十分時間をとる必要があると思います。
  実は、私自身はこちらの絵本をおはなし会で読んだ事がありません。
  理由は、ラストシーンでどうしても涙が出てしまうからです…(2011/09/20)

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